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九谷焼(くたにやき)

指定区分 国指定 伝統的工芸品
品目 九谷焼(くたにやき)
制作者 武腰 敏昭(たけごし としあき)
(日本芸術院会員)

作品解説

作品名「航海を終えて」

陽の光を浴びながら、長旅を終え、今まさに金沢港に入ろうとするクルーズ船を一羽の海鳥が歓迎している様を表している。船を真上から見下ろす大胆な構図と無鉛釉薬の優しい発色が絶妙なバランスとなっている作品である。

九谷焼 歴史と特色

歴史

江戸時代初期に、大聖寺藩主前田利治(加賀藩3代藩主前田利常の三男)の命で有田で製陶を学んだ後藤才次郎が、江沼郡九谷村(現加賀市)で窯を築いたのが始まりとされている。五彩で描いた美しく、力強い大胆な色絵は「古九谷」と呼ばれ、世界的に高い評価を受けている。しかし、約50年ほどで姿を消し、約100年後金沢の春日山窯続いて小松で若杉窯が始まった。その後、吉田屋窯、宮本屋窯、永楽窯、小野窯等がそれぞれ特色ある色絵を作り出した。
江戸末期から明治初期にかけて活躍した九谷庄三は繊細で華麗な彩色金欄手を広め、産業としての九谷焼に大きく貢献した。現在では、量産化に対応するため、素地づくり、上絵付けなど分業体制が確立している。

特色

各時代、各窯の特徴ある作風がある。
古九谷 ⋯ 黒や赤黒の骨描きに、渋い彩色で素朴豪快
木米 ⋯ 全面に赤塗りで人物などを描く
吉田屋 ⋯ 赤を使わずに緑、黄、紫の塗り埋め手
飯田屋 ⋯ 赤と金襴で中国風の風俗や文様を描く
永楽 ⋯ 金の上に赤の模様 庄三・花鳥山水等を描いた彩色金欄手
昭和51年6月8日石川県無形文化財に指定された。

主な生産者

石川県九谷陶磁器商工業協同組合連合会

〒923-1121 石川県能美市寺井町よ25
TEL: 0761-57-0125 FAX: 0761-57-0320
Mail: rengoukai@kutani.or.jp
http://www.kutani.or.jp/