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山中漆器(やまなかしっき)
指定区分 | 国指定 伝統的工芸品 |
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品目 | 山中漆器(やまなかしっき) |
制作者 | 川北 良造(かわぎた りょうぞう) (重要無形文化財[木工芸]保持者) |
作品解説
作品名「波頭文」(はとうもん)
勢いよく落ちたしずくの波紋が、時間の経過とともに、下から上へと広がっていく様を表している。ケヤキの木目と加飾挽きの大胆な構図の調和により、躍動感のある作品である。
山中漆器 歴史と特色
歴史
16世紀の後半にろくろ師が真砂[まなご]の村(現在の山中温泉上流)に移り住んだことが始まりとされている。 後に、木地師たちは下流の山中温泉の地に定住するようになったが、当時は白木地のままの挽物で湯治客相手の土産物にすぎなかった。
江戸時代半ば(18世紀中頃)には、京都などから漆塗りの技法を学んで栗色塗が始まった。後に、朱溜塗と呼ばれ、山中漆器の特色となった。また、全国より塗師や蒔絵師を招き、きゅう漆や蒔絵の技術を習得した。
江戸時代の末には、木地挽きの名手である蓑屋平兵衛が千筋挽などを考案し、明治の初期には、筑城良太郎が毛筋や稲穂筋などを創案して挽物の技が確立した。
特色
ろくろを使った挽物技術が特色である。木地の肌に極細の筋を入れる加飾挽きは、山中漆器が最も得意とするもので、その手法は千筋をはじめ糸目筋、ろくろ目筋、稲穂筋、平溝筋、柄筋、ビリ筋など数十種に及ぶ。この時使われる各種小刀やカンナはすべて木地師の自作であり、作業に応じて使いわけられる。
筋挽きによって加飾されたものは、摺漆[ふきうるし]という木地に漆をしみ込ませて仕上げる方法により、木目をきわだたせ使い込むほどに味わい深いものにする。また、挽目をあらわした挽物の上に渦のような赤、黄、黒の漆で塗り分けた独楽塗りの技法も特色の一つである。木地は堅く、狂いのないケヤキやトチ、水目桜を使い、樅木取りと呼ばれる独特の方法で、立木を自然な方向に木取りするため、歪みが生じにくく、堅牢である。また、豪華な高蒔絵を施した茶道具、持に、棗[なつめ]の制作には定評がある。挽物技術が平成22年4月2日、石川県無形文化財に指定された。
主な生産者
山中漆器連合協同組合
〒922-0111 石川県加賀市山中温泉塚谷町イ268-2
TEL: 0761-78-0305 FAX: 0761-78-5205
Mail: ylca@kaga-tv.com
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